こんにちは、傳兵衛です。
今回ご紹介する話は、私が入社して数年経ったときに上司から聞いた話です。
この話も、その上司が作ったオリジナルの話なのか、彼が他の人から聞いた話なのか、今では確かめようもありませんが、どうぞお付き合いください。
目次
金の箸が欲しい
箸が出てくるので、中国かアジアの王家の話だと思います。
食事の時に皇太子が言いました。
「『金の箸』が欲しい。父上、『金の箸』を買ってください。」
父である皇帝は考えました。
「『金の箸』くらいだったら、買うことは出来る。」
可愛一人息子に買ってあげるかと・・・
しかし、すぐに思い直しました。
「いかん、いかん、もし『金の箸』を与えたら、次は『金の茶碗』が欲しくなる。
そして、『金の茶碗』の次は『金の家』が欲しくなる。
『金の家』を与えたら、さすがにこの国はおかしなことになる。」
皇帝は心を鬼にして『金の箸』を皇太子に買い与える様なことはしませんでした。
自分自身にも起きる話
似た様な話は会社でもよくありますよね。
可愛い部下が、
「椅子が壊れたんで、新しいのを買いたいんですが・・・ちょっと高いんですが、疲れないし、座り心地のいい人間工学に基づいた設計の・・・」
「まあ、椅子くらいならちょっと高くても承認してあげるかな・・・」
いかん、いかん、こいつにOK出したら、別の部下が、
「私も最近疲れやすいので、彼と同じ椅子を購入してもいいですか?」
となる。こっちを却下すると、
「なぜ彼はOKで私はダメなんですか?」
となり、収拾がつかなくなる。
私の場合はどうしたか
皇帝の王子は一人息子でしたが、部下は数多くいます。
部下の能力に差があるのは仕方ありませんが、部下に差別されている、不公平だ、と思われたらおしまいです。
また、どうせ会社のお金だから、という雰囲気が広まったらとてもやっていけません。
私は叫びました。
「お前ら、疲れるまで椅子に座っているとは何事だ!
現場に行け。ここは工場だぞ!」
おわりに
こんな事を繰り返していたので、随分と『ケチな課長』と思われていたんだろうな・・・
その反動か、プライベートでは衝動買いや無駄遣いに走り、カミさんからは今も怒られっぱなしです。