こんにちは、傳兵衛です。
BCLに無くてはならないものが、受信機とアンテナです。
今回は、BCLファンに人気の高い2本のアンテナ、第一電波工業株式会社 DIAMOND ANTENNA D303 と株式会社アペックスラジオ ApexRadio 303WA-2 を実際の電波を受信して聞き比べてみました。
マンションに住むBCLファンの参考になれば嬉し限りです。
また、おまけとして、ガルバニック・アイソレーターの効果も検証しました。
目次
はじめに
はじめに「おことわり」です。
今回の比較は、何の測定器も持っていないわたしが、放送局の電波を受信して、Sメーターの振れで比較しました。
しかし、放送局によっては、フェージングもあり、厳密な比較になっていません。
また、自宅マンションのベランダに2本を並べて設置したので、本来の性能を引き出す様な設置になっていないと思います。
この点もご了承ください。
今回使用した受信機器は、Airspy HF+Discovery とSDR Comsole V3 です。
比較は、中波(MW)帯、短波(SW)帯、FM放送帯について、適当に放送局を選び、短時間の内にアンテナを切り替え、スクリーンショットを撮りました。
結論を先に言うと、ApexRadio 303WA-2 の方が若干ですが、Sメーターの振れが良いバンド帯が多かった様です。
アンテナの特徴
それぞれのアンテナのスペックを簡単に紹介します。
DIAMOND D303
第一電波工業株式会社 DIAMOND ANTENNA 0.5〜200MHz帯広帯域受信アンテナ D303 です。
取扱説明書の記述を転記します。
受信周波数:0.5 〜 200MHz (HF/VHF帯 Air Band・AM/FM放送・TV音声・HF/VHF帯アマチュア・防災・行政・救急・自衛隊・業務・マリン・新聞・通信社・その他)
全長:1.56m
最大直径:0.37m
重量:0.85Kg
インピーダンス:50Ω
耐風速:60m/sec.
適合マスト径:φ30 〜 62mm
接栓:MーJ
同軸ケーブル (RG58U 10mMP付) 付属
わたしがこのアンテナを選んだポイントは全長が1.56m と、他のアンテナに比べ若干短めだった点です。
写真の様に、ベランダの手すりに設置しても、アンテナのテッペンは、天井からまだ余裕があり、アンテナを斜めに取り付ける必要がありません。
取付金具、同軸ケーブルやコネクターも付属しているので、手軽に設置することが出来ました。
ApexRadio 303WA-2
株式会社アペックスラジオ ApexRadio 303WA-2 Super low noise antenna for LW-MW-SW です。
取扱説明書によれば
303WA-2 は、30kHz〜30MHz を混変調や相互変調の心配なく、低雑音で受信するために開発設計されたコンパクトな受信アンテナです。設置面積が非常に小さく、軽量ですのでベランダ等への設置にも適しています。(略)
全長は、約1.73mで、D303 より若干長いです。
全長が約1730mm と長い分、我が家のベランダには垂直に設置することが出来ず、斜めに突き出しています。
このアンテナもマスト取付用L金具が付属していて、追加の取付金具は不要で、写真の様に斜めに設置することが可能です。
もちろん同軸ケーブルやコネクター、短いですが防水用自己融着テープも付属しています。
わたしがこのアンテナを選んだ理由は、約600mm のエレメント3本に分解できることです。
600mm のエレメントなら、持ち運びが簡単だ、と思ったからです。
周波数別比較
それでは、早速放送局の聞き比べをして行きます。
今回は長波 (LW)帯は、 D303 の対象範囲外だったので、割愛しました。
中波(MW)帯
昼間に受信したので、地元関東地方の放送局の受信になります。
594KHz
NHK第一放送を受信しました。
どちらのアンテナも強力な信号を受信出来ました。
信号の強さは D303 : S9+26 < 303WA-2 : S9+33 でした。
D303
303WA-2
954KHz
TBSラジオを受信しました。
こちらも強力な信号を受信出来ました。
信号の強さは D303 : S9+20 < 303WA-2 : S9+31 でした。
303WA-2の方がノイズレベルが高い様です。
D303
303WA-2
1,422KHz
ラジオ日本を受信しました。
こちらも強力な信号を受信出来ました。
信号の強さは D303 : S9+34 < 303WA-2 : S9+35 でした。ほぼ同じです。
D303
303WA-2
短波(SW)帯
短波(SW)帯の受信です。
受信時間は昼間だったので、聞こえる放送局は少なかったです。
6,055KHz
ラジオNIKKEI (第1放送) を受信しました。
こちらも強力な信号を受信出来ました。
信号の強さは D303 : S9+10 = 303WA-2 : S9+10 で同じでした。
D303
303WA-2
11,780KHz
局名不明の放送局を受信しました。
こちらも強力な信号を受信出来ました。
信号の強さは D303 : S9+2 = 303WA-2 : S9+2 で同じでした。
タイミングの問題かも知れませんが、ノイズはD303の方が強い様です。
D303
303WA-2
13,655KHz
局名不明の放送局をを受信しました。
信号の強さは D303 : S9+3 < 303WA-2 : S9+14 でした。
D303
303WA-2
15,435KHz
局名不明の放送局をを受信しました。
信号の強さは D303 : S9 < 303WA-2 : S9+1 でほぼ同じレベルです。
ノイズレベルはD303の方が強い様です。
D303
303WA-2
17,625KHz
局名不明の放送局をを受信しました。
信号の強さは D303 : S9+1 > 303WA-2 : S7 でD303の方が強力でした。逆転です。
ノイズレベルはD303の方が強い様です。
D303
303WA-2
FM放送帯
SDRでFM放送はあまり聞きませんが、参考までに1局のみ載せておきます。
83.0MHz
市川うららFMを受信しました。我が家から少し離れた、中程度の信号の局です。
信号の強さは D303 : S7 > 303WA-2 : S4 でD303の方が強力でした。
FM放送帯は、D303は対象受信帯ですが、303WA-2は対象範囲外です。
D303
303WA-2
日本語短波放送で比較
よく受信する日本語短波放送で比較してみました。
台湾国際放送(RTI) 11.745KHz
台湾国際放送(RTI)の日本語放送を受信しました。
信号の強さは D303 : S9+23 < 303WA-2 : S9+29 でした。
ノイズレベルはD303の方が強い様です。
D303
303WA-2
KBS WORLD Radio 6,155KHz
KBS WORLD Radioの日本語放送を受信しました。
信号の強さは D303 : S9 < 303WA-2 : S9+4 でした。
D303
303WA-2
モンゴルの声 12,085KHz
モンゴルの声の日本語放送を受信しました。
信号の強さは D303 : S9+10 < 303WA-2 : S9+14 でした。
ノイズレベルはD303の方が強い様です。
D303
303WA-2
ラジオタイランド 9,390KHz
ラジオタイランドの日本語放送を受信しました。
信号の強さは D303 : S9+23 > 303WA-2 : S9+15 でした。
理由は不明ですが、短波帯でD303の数少ない勝利です。
ノイズレベルはD303の方が強い様です。
D303
303WA-2
おまけ
なんとかノイズのレベルを下げたくて、比較的安価な ガルバニック・アイソレーターを購入しました。
受信した放送局は、ラジオタイランド 9.390KHz です。アンテナは 303WA-2 を使いました。
ガルバニック・アイソレーターを入れると、Sメーターは若干弱くなっていますが、ノイズレベルは明らかに下がっています。
まだ弱い放送局を受信して、その効果を確かめたわけではありませんが、期待がもてます。
スクリーンショットを比べてみてください。
ただ値段は安価ですが、基盤むき出し、という点が気になります。
ガルバニックなし
ガルバニックあり
おわりに
アンテナ聞き比べの結果です。
DAIAMOND D303 が3勝、ApexRadio 303WA-2 が8勝、そして2引き分けでした。
フェージングもあり、単にSメーターの比較で、アンテナの性能の優劣を言うことは出来ませんが、これがアンテナを2本並べて聞き比べた結果です。
感覚的には、中波帯や短波帯の低い周波数帯に強いのが ApexRadio 303WA-2 で、高い周波数帯は DAIAMOND D303 という感じです。
対象となる周波数帯も違うので、何を受信したいのか、でアンテナを選んでください。
最後に、両社の製品紹介のホームページへのリンクは、下記の通りです。
第一電波工業株式会社 D303 の製品紹介のページへは、こちらから。
株式会社アペックスラジオ 303WA-2 の製品紹介のページへは、こちらから。
この情報がみなさんのお役に立てれば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。