こんにちは、傳兵衛です。
いつも聞いている短波放送は、自宅に居ないときも聞きたいものですよね。
特に自宅から遠く離れた海外への出張の時は、その地でどんな放送局が聞こえるのだろう、と気になります。
そこで、今回は、出張時に負担にならない、TECSUNの小型BCLラジオ PL-380 をご紹介します。
現在わたしが保有している ELPA ER-C57WR との聞き比べも行いました。
目次
はじめに
国産BCLラジオは一時の繁栄が嘘の様に絶滅してしまいました。
国産BCLラジオに取って代わり、勢力を伸ばしてきたのが、いわゆる中国製「中華ラジオ」です。
国産BCLラジオの生産が終了した現在では、中華ラジオなしにBCLを始めるのは無理です。
今回は、出張にも持って行ける小型BCLラジオという切り口で、TECSUN PL-380 をご紹介します。
チェックポイント
他のラジオと比較する際のわたし流のチェックポイントについて点検していきます。
日本語マニュアル
わたしは日本語マニュアルの有無を重視します。
ラジオを聞くだけであれば、マニュアルがなくても放送を受信出来るでしょう。
しかし、特別な機能を100%使いこなすためには、どうしてもマニュアルが必要になります。
出来れば、日本語マニュアルが付属されていれば安心です。
今回、わたしが購入したPL-380は、日本語小冊子マニュアルを、4ページずつA4用紙1ページにコピーしたもの5枚(P.4~P.20)が同梱されていました。
コピーにコピーを重ねたものらしく、ちょっと読み辛いです。
そこで、A4からA3に濃度を濃く調整して拡大コピーし、それをスキャンしました。
これは、付属の日本語マニュアルをそのままスキャンしたものです。
尚、中国語のマニュアルも付属しており、A3裏表印刷のクイックマニュアル(?)と29ページの小冊子マニュアルが同梱されています。
わたしの場合、中国語マニュアルは無用の長物です😅
本体寸法と付属アンテナ長
本体の寸法は、幅135mm × 高さ86mm × 奥行26mm とカタログにあります。
手元にあるELPA ER-C57WRと比べると、ひとまわり大きいです。
また、重量は、 電池含まず 約200g(カタログより) 電池入れて 266g(実測)です。
付属アンテナの長さは、収納して112mm、伸ばして546mm の7段ロッドアンテナです。
大きさ的にも重量的にも、出張用のカバンに入れて連れ出しても負担にはなりません。
ちなみに ELPA ER-C57WR は若干軽く 約231g でした。
これは、PL-380が単三電池3本を使用するのに対し、ER-C57WRは単三電池2本の使用のためと思われます。
外部アンテナ端子
残念ながら、外部アンテナ端子はありません。
仕方ないので、めがねクリップを使って、ビニール線を付属ロッドアンテナにつないで受信しています。
電源(電池、内臓バッテリー、外部電源)
同梱の日本語マニュアルを見ると、「付属のACアダプター」という記述がありますが、わたしが購入したPL-380には付属していませんでした。
今回の購入したものは、日本国内向けの商品ではなく、並行輸入品のようです。
購入には、注意が必要です。よく確認してください。
しかし、その分、安く購入出来たと思います。
電源は前述の通り、市販の単3乾電池を3本使います。
その際は、「ぜひアルカリ電池をご使用ください」とアルカリ電池の使用を推奨しています。
FM放送の受信レンジ
海外のそれぞれの国・地域のFM放送帯に対応しています。
受信レンジは4種類の設定が可能です。
・87.5 ~ 108MHz
・64 ~ 108MHz
・76 ~ 108MHz
・87 ~ 108MHz
日本の場合は、受信レンジを 76 ~ 108MHz に設定します。
設定の方法は、
・電源が切れている状態にする
・数字ボタン「 1 」を何度か長押して、希望の受信レンジを選ぶ
簡単に設定できます。
FM放送帯以外の受信レンジ
中波(MW)
・北米 520 ~ 1710KHz
・日本など 522 ~ 1620KHz
中波帯のレンジの切り替えは、MW受信ステップ設定で同時に行います。
・電源が切れている状態にする
・数字ボタン「 3 」を長押して、希望の受信レンジを選ぶ
この操作で、ステップ数が10KHzの時は520 ~ 1710KHz、9KHzの時は522 ~ 1620KHzになります。
短波(SW)
2300 ~ 21950KHz
長波(LW)
153 ~ 513KHz
短波帯の受信レンジが狭い様に思われる人もいらしゃると思いますが、120mバンドから13mバンドの短波放送帯をしっかりカバーしており、BCLには全く問題ありません。
SSBの受信は出来ません。
商品の交換・返品対応
今回わたしは、楽天市場で購入しました。
購入ショップの「キャンセル・返品(返金・交換)について」というページがあり、内容を確認しました。
本体の説明
各ボタンの詳細な機能は割愛しますが、名称を日本語マニュアルより転記します。
前面
背面
「スタンドフラップ」は机の上など平らな場所でラジオを聞く際、このフラップを引き出して、本体を寝かせて置くことで、安定した状態で、操作することが出来て、とても便利です。
ただ、少しキャシャな感じがして、以前このフラップが外れた、とSNSで見たことがあります。
慎重に扱った方がいいかもしれません。
側面
ディスプレイ
バージョンが違うのか、中国語カタログのディスプレイの説明と日本語カタログの説明では若干表示が違う様です。
今回の本体のディスプレイは日本語カタログのものでした。
参考まで、中国語カタログのデイスプレイは、下記の通りです。
付属品について
付属品を説明します。
写真、上段右から左へ
・中国語マニュアル(小冊子)
・保証書(中国語)
・中国語クイックマニュアル(A3裏表印刷)
・ステレオイヤホン
・日本語マニュアル(A4コピー)
・本体
・ソフトケース
ソフトケースのチープ感は仕方ないですが、ラジオの持ち運びには助かります。
メモリー機能
PL-380は受信周波数をメモリーすることが出来ます。
①手動メモリー機能
②ETM(Easy Tuning Mode)
③自動メモリー機能
この価格帯のラジオとしては、豊富なメモリー機能だと思います。
短波帯放送局の受信の様に、特定の周波数を決まった時間に受信する場合は、①手動メモリーを使います。
FM帯放送局の受信の様に、複数の放送局を渡り歩くときは、②ETMで簡単登録・手動選局がお勧めです。
手動メモリー
登録方法は次の通りです。
・放送を受信中に、メモリーボタン (M)を押します。
・メモリー番号が点灯している間に、もう一度 メモリーボタン を押します。
メモリー番号を変更したい時は、メモリー番号が点灯している間に、選局ダイヤルを回してメモリー番号を指定し、メモリーボタンを押します。
登録した放送局の受信方法は、次の通りです。
・聞きたいバンドを選んだ後で、VMボタン を押します。
・ディスプレイを見ながら、選局ダイヤルを動かし、聞きたい放送局のメモリー番号を選びます。
ETM(Easy Tuning Mode)
ETM(Easy Tuning Mode)を使うと、受信可能な放送局を一括スキャニングして、簡単に選局出来ます。
テレビ購入時に、チャンネル登録する様な機能です。
特にFM放送帯では、とても有効な機能です。
FM, MW, LW が各100局、SW が250局まで、一時的に保存されます。(合計550局)
ETMで保存された放送局は、もう一度ETMモードでスキャニングするまで有効です。
自動/手動メモリー登録とは別のメモリー領域に登録されます。
但し、メモリー番号の表示はありません。
自動メモリー
受信可能な放送局を一括してメモリー登録する機能です。
前述のETMに似ていますが、こちらはメモリー番号が割り当てられます。
つまり、メモリー登録したメモリーの編集(不要になった放送局の削除など)が可能になります。
また、ETMの選局は、選局ダイヤルを手動で操作して行いますが、自動メモリーでメモリー登録したものは、サーチ等の自動選局が可能になります。
受信比較(聞き比べ)
わたしは、受信感度などを測る測定器などを持っていないので、二つのラジオを窓際に置いて聞き比べてみました。
最初、付属のロッドアンテナだけで聞いていましたが、信号が弱いので、約5mのビニール線をホテルの窓から垂らし、付属のロッドアンテナに接続しました。
受信した放送局は、ベトナムの声放送局 12,020KHz です。
受信地は、タイ チョンブリ県です。
この日は、いつもに比べ雑音が多い日でした。
PL-380
耳Sメーターでは、2機種間の感度差は感じられませんでした。
ただ、筐体が少しだけPL-380 の方が大きいので、ER-C57WRに比べ、口径の大きなスピーカー(カタログでは50mm)が使われてる様です。
そのため、PL-380の方が低音もしっかり出ています。
個人的な好き嫌いの問題ですが、わたしはPL-380の音の方が好きです。
受信した音源を確認してください。
ELPA ER-C57WR
PL-380に比べ、シャキシャキ感が強い音です。
しかし、この音の方が好きな方も多いでしょう。
わたしのクセの問題かも知れませんが、ER-C57WRの問題の1つは操作性です。
選局時に、周波数をテンキーから入力する時は、まず「 FREQ 」ボタンを押してから、数字キーで周波数を入力しなくてはいけません。
いつもわたしは、この「 FREQ 」ボタンを押すのを忘れてしまいます。
今回は比較対象ではありませんが、ER-C57WRにはエアーバンド帯が受信出来る、というアドバンテージがあります。
受信した音源を確認してください。
おわりに
最後に、PL-380の隠れた機能として、温度計があります。
電源ボタンの下の「 Display 」ボタンを押すことによって、現在の温度を表示することが出来ます。
スマホでも確認できるかと思いますが、ボタン一押しで温度を確認出来る機能は、特に出張時に重宝しています。
PL-380には、本体の色がブラックのもの以外に、シルバーもあります。
出張のお供に、お勧めの1台です。
TECSUN の公式ホームページへは、こちらから。
今回の記事が皆さんのお役に立てたら嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。